「実の母親との関係が重荷だ」。母と娘の関係がここ2、3年、注目されている。母との確執を告白する女性芸能人らの半生記が続々出版されたほか、親が子供に毒のような影響を及ぼす「毒親」「毒母」という言葉も使われるようになった。血を分けた“母と娘の確執”。裏には愛憎が交錯する複雑な感情があるようだ。(寺田理恵)
「生まれなければ」
「母と会ったのは、この15年で3回だけ」。東京都台東区の女性会社員(44)はこう話す。「自分のことは自分で決めなさいといいながら、私がこうしたいというと反対する。ジーンズは禁止。漫画もだめ。身だしなみと進路のこと以外は関心がなく、気分次第で干渉してくる」
一方、「女の子に学は要らない」との方針で育てられたという母親(71)は、学歴にコンプレックスがあるのか、最初の子である女性の進路に干渉。女性は中学3年のとき、受験のため部活動の吹奏楽をやめるよう強いられた。