2015.5.30 15:00
松やヒノキ、杉など木材を竜のヒゲのように削り出し、乾燥させた「木毛(もくめん)」。果物や割れ物を箱に詰める際、すきまに詰める緩衝材といえば「ああ、あれか」と思ってもらえるでしょうか。木の弾力性、反発性が商品を保護します。
明治天皇に果物を献上する際に木材をかんなで削って使ったのが始まりです。昭和40年代には全国に百社以上もあった木毛業者も今では数社。そんな中で専業で続けているのが高知県土佐市にある戸田商行(http://www.toda-shoko.com/)です。
50年前の創業当時の機械が今も現役稼働中で1日最大1トンを生産しています。高知県産材が20分ほどでふんわりとした木毛に変わり、県産のメロンやスイカだけでなく、岡山の桃やマスカット、徳島のレンコンなどにも使われています。
同社では優れた吸湿性や防臭機能などをいかし、枕の上に置いて寝ると安眠効果が期待できる「アロマシート」や湿気から靴を守る「シューズキーパー」など地元和紙とのコラボ商品を開発しました。
保水率が高く土に返りやすいため、高速道路工事などで山を削ったり土を盛ったりして作る人工斜面に敷く植生シートにも活用されています。木の醸し出すぬくもりや高級感は格別。木毛の用途、広がりそうです。
<プロフィル>
おざき・みき
元高知放送アナ。子育てをしながらフリーで活動中。産業カウンセラーの資格を持ち、心に伝わる仕事を目指す!
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