仕事に活きる教養としての日本論 「ミスター円」榊原英資氏が語る (3/5ページ)

2014.12.28 07:00

 ヨーロッパが機械化によって自然を収奪する「産業革命」を進めたのに対して、日本は自らの労働力を投入して生産性を上げ、棚田を造成し、森と水の循環を維持していく「勤勉革命」を実行していったのです。産業革命は森を破壊し、自然と人間を切り離しましたが、勤勉革命は森を維持し、自然と人間の共生につながりました。日本が現在でも世界有数の森林大国であることは、こうした日本人の自然観、哲学を背景としたものだったといえるのでしょう(※第2章 なぜ日本は、豊かな森と海を大切にし続けることができたのか? 52ページより)

 自国を礼賛するような場合、ややもすると思い込みや勘違いが混ざってしまいがちで、必ずしも客観視したものとはいえないことがある。しかし同書は、つとめて客観的である。それは、西欧諸国などとの比較を盛り込んでいるだけでなく、研究者などの主張もうまく取り込んでいるからである。参考にした文献も、本文中で随所に紹介されているので、興味や関心を持ったら、そうした文献にあたるのもいいだろう。

それにしても、なぜ榊原氏はこのような本を執筆したのか

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。