昨年10月、前橋市に市立美術館「アーツ前橋」が開館しました。実は、前橋市は全国で唯一公立美術館・博物館のないの都道府県庁所在地でした。市が集めてきた美術品の収蔵場所、披露場所ができたのです。
市も約6年の準備期間を費やし、後発ならではの工夫をこらしました。長年、中心市街地にあった百貨店を改修。大きな梁(はり)はそのままに、外観の緩やかな曲面も百貨店当時の特徴を生かしました。市民が親しんだ建物の記憶を留めつつ、多くの穴が開いた白アルミで覆い、街の新しい顔によみがえらせました。
アートを介した街おこしの拠点の役割もあります。
1階展示室は無料開放し、気軽に芸術に触れてもらう。近くにある廃業した銭湯でアーティストが公開制作を行う「磯辺湯活用プロジェクト」、図書館の本のように市民が提供した服を貸し出す「ファッションの図書館」、前橋の家庭料理をまとめたレシピ本作成など多彩な企画を実現してきました。
「美術は特別なものではなく日常の中にある。買い物途中や仕事帰りに立ち寄ってもらい、生活に溶け込んだ場所にしたい」と住友文彦館長(42)。アートと人、人と街をつなぎ、市街地の空洞化に歯止めをかける核に、と期待されています。
<プロフィル>
ねぎし・まいこ 群馬テレビ出身。「産経抄」朗読など担当。東京都美術館アート・コミュニケータ。
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