出血症状がなければ日常生活に制限はないが、「外傷予防にと、旅行をやめたり、幼稚園の登園禁止や小学校で外遊びが禁止になる小児患者、女性では月経過多で休みがちになり、職場に居づらくなったりする人もいる」(宮川教授)。
指針改定へ
妊娠・出産適齢期の患者が多く、妊娠出産時の治療ガイドラインもある。出血傾向のある血小板数5万以下の患者は避妊、もしくは人工流産を考慮するとし、出産時は帝王切開分娩(ぶんべん)を推奨してきた。
今回、厚生労働科学研究の一環で、20年ぶりのガイドライン改定に向けた作業が進んでいる。ITP専門家のほか、産科、小児、麻酔の専門医も加わり、関係4学会から意見も求めた。国内事例や他国ガイドラインも参照し、必要な血小板数を妊娠で2万~3万、自然分娩で5万、帝王切開分娩で8万以上とする方針だ。
宮川教授は「治療ガイドライン自体も2年前に改定された。症状は患者ごとに異なり、一様ではない。ITPだからと妊娠出産を諦める必要はない」と話している。