出血が症状、妊娠で発症も 血小板が減る希少疾患「ITP」 (2/4ページ)

2014.4.27 18:03

ITP女性患者の二の腕にできた紫斑と点状出血。本人はいつできたかも分からないという(宮川義隆・埼玉医科大学病院教授提供)

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 通常、血小板は血液1マイクロリットル(マイクロは100万分の1)中、15万~40万個あるが、ITP患者では10万個以下。血液凝固に関わる血小板が失われるため、ITPは出血症状も表れる。血小板数が5万個以下で皮下出血によるあざ(紫斑)や鼻血、3万個以下だと点状出血が、1万個以下で粘膜や体内深部で出血が起きる。患者の約1%は脳内出血や肺出血、消化管出血を起こし、「止血方法がなくて手術もできず、亡くなる人もいる」(宮川教授)ため、重篤な出血を予防するための治療が行われる。

 治療薬は副腎皮質ステロイドが第一選択で、約8割の患者で血小板増加効果がある。しかし、ステロイドを中止できる患者は1~2割程度で、不眠や免疫低下、糖尿病などの副作用を新たに持つことになる。脾臓摘出術も選択肢で7割が完治する。

 近年、血小板を作る細胞(巨核球)を刺激し、血小板産生能力を高める「トロンボポエチン受容体作動薬」が新薬として登場。約9割の患者で効果が見られ、ステロイドの副作用からも脱出できる。しかし、妊婦には使えず、薬価が高いなどの難点もある。

妊娠・出産適齢期の患者が多く、妊娠出産時の治療ガイドラインも

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