大企業が一瞬で市場シェアを失う時代 「柵」を見直すとき (3/3ページ)

2013.5.12 06:00

原口政也さん

原口政也さん【拡大】

  • Joel Cere・ Insights & Innovation solution,Global director
  • Peiling Lee・ Global project manager.jpg
  • メンバーと直接コミュニケーションを図っているコミュニティーマネージャー

 「ウズベキスタンやセネガルから斬新なアイデアが届いたら、それは楽しいに決まってますね。この辺がアイカのビジネスの成功要因なのでは、と思うんです」

 ただもちろん、今日の周縁が明日の周縁とは限らない。だから皆が知らない経験の組み合わせをもっていることが強みになってくる。

 原口さんは、これまでヨーロッパ企業の日本市場でのブランド管理や日本企業のアジア進出のマーケティングに従事してきた。

 「今までの日本の広告代理店って、お互いの関係が確定していて想定外のことが起きにくい柵の中でのビジネスでした。でも今、柵の外に出ているとの実感があるんですね」

 無名の会社が短期間で急伸し、大企業が一瞬にして市場のシェアを失う時代だ。柵そのものの見直しが迫られている。

 物心ついたときからコンピュータに触れてきた層を示すC世代という言葉がある。コンピュータ(Computer)が人の繋がり(Connect)を生み、そのコミュニティ(Community) で何かを創造(Create)することを普通と思う人たちだ。

 このC世代の考え方や感じ方を単なる世代間ギャップと大企業幹部が見下していると足を掬われる。日本の伝統的な企業社会にも影響を与えるビジネス文化の変容が着実に起きていることに目を向けないといけない人たちは多い。 

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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