トランプ米大統領就任1年 メディアとの関係は過去最悪 中間選挙へ深まる対立 (5/5ページ)

ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)
ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)【拡大】

 ポスト紙は、女性が「リベラル系メディアのペテンを暴く仕事に就いた」と投稿していた経緯をつかみ、ベリタスの「潜入記者」と見破ったという。同紙のバロン編集主幹は、経緯を公表した理由について「私たちをだまし、妨害しようとする工作の核心だからだ」と説明した。(ワシントン 共同)

 ■言論弾圧に口実与える懸念も

 メディアの問題に詳しい米デポー大のジェフリー・マコール教授の話 トランプ大統領は主要メディアを既得権益層の一部として攻撃する戦略で選挙に勝ち、支持層のてこ入れにも効果的と考えている。メディアとの関係はさらに悪化するだろう。米大統領が「フェイクニュース」とメディアを糾弾することで、世界の強権的指導者に言論弾圧の口実を与える懸念もある。

 報道各社は政権批判で対抗しているが、日々の競争に追われて情報の精査を欠き、誤報続きでメディア不信を増幅させた。自分の思想や信条に合う情報を求め、ソーシャルメディアでニュースに接する人が増える中、客観的な報道は一層難しくなっている。

 公共に資するニュースとは何か、メディア側も考えるべきときがきている。(ワシントン 共同)