トランプ米大統領就任1年 メディアとの関係は過去最悪 中間選挙へ深まる対立 (2/5ページ)

ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)
ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)【拡大】

 ニューヨーク・タイムズのバケー編集主幹は、トランプ氏が権力の監視を責務とするジャーナリズムに「かつてない手段」で攻撃を仕掛けているとして「反撃しなくてはならない」と語る。報道各社は調査報道に注力、政権とロシア側の不透明な接触や閣僚の権限乱用などを次々に暴いた。

 ただ、メディアの勇み足も目立つ。昨年12月にはロシアによる米大統領選干渉疑惑をめぐり、トランプ氏とロシア側の共謀を示唆した報道に「深刻な誤り」があったとしてABCテレビが記者を停職処分とした。相次ぐ誤報の背景に、メディア側の「偏向」があるとの指摘も出ている。

 トランプ氏は注目を集める自分の方に分があると余裕の構えだ。「私がいなければ(テレビの)視聴率はがた落ちだ。メディアは立ちゆかなくなる」と述べ、自身の再選に向け各社が好意的な報道に転じると自信を示している。(ワシントン 共同)

 ■見せかけの「透明性」アピール

 専用ヘリコプターに乗り込むためトランプ米大統領が執務室から現れると、ホワイトハウスの庭で待ち構えていた記者らが思い思いの質問を大声で叫ぶ。ヘリの轟音(ごうおん)が響く。トランプ氏は「減税」など断片的に聞こえる言葉に反応し、持論をまくし立てる。

トランプ氏がヘリに乗る直前に取材機会を設けて透明性をアピール