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■偽情報仕組み「おとり作戦」
トランプ政権とメディアの対立が深まる米国では、有力紙に偽の情報をつかませようと仕組む「おとり作戦」も明るみに出ている。虚偽の報道をさせることで、既存メディアの信頼性をおとしめる目的があるようだ。
ワシントン・ポスト紙は昨年11月「情報提供者」とのやりとりの一部始終を明かす異例の記事を掲載した。南部アラバマ州連邦上院補選の共和党候補のわいせつ疑惑で、自分は被害者だと名乗り出た女性が、右派系団体の指示で嘘をついていたことが判明したのだ。
女性を雇っていたとされる右派系団体「プロジェクト・ベリタス」は、隠し撮りでリベラル系団体などの不祥事を告発することで知られ、メディアも標的にされてきた。トランプ氏を支持してきた右派サイト「ブライトバート・ニュース」と近く、トランプ氏も資金提供したことがある。