トランプ米大統領就任1年 メディアとの関係は過去最悪 中間選挙へ深まる対立 (3/5ページ)

ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)
ホワイトハウスで記者会見するサンダース大統領報道官(AP)【拡大】

 政権は昨年秋から、トランプ氏がヘリに乗る直前に取材機会を設けて透明性をアピール。だが突っ込んだ質疑が交わされることはなく、トランプ氏の一方的な独演場となっている。集音マイクが拾うトランプ氏の声はテレビでは鮮明に聞こえ、雄弁な印象を受ける。

 かつてバラエティー番組の司会で人気を集めたトランプ氏。大統領としての報道対応も、自分を演出するショーのような感覚なのだろう。

 就任後、ホワイトハウスの寝室などのテレビを増やしたというトランプ氏は、常に報道をチェックし、ツイッターで攻撃。メディアの評価を強く意識する。だが単独で正式な記者会見を開いたのは就任直後の昨年2月16日だけ。ニクソン氏以降の歴代大統領で最低の頻度だ。報道の自由が尊重されてきた米国で大統領が説明責任を放棄すれば、各国にも悪影響を及ぼしかねない。

 「大統領は表現の自由を定めた憲法を支持するつもりがあるのか」。ホワイトハウスの会見で、記者らはトランプ氏の姿勢を正す。しかし「メディアはまず正確な報道をすべきだ」と非難する報道官の主張とはかみ合わないままだ。(ワシントン 共同)

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