2017.6.12 13:14
「エムケイ」創業者・青木定雄氏=平成16年【拡大】
「タクシー業界の風雲児」と呼ばれた「エムケイ」(京都市)創業者の青木定雄(あおき・さだお、本名・兪奉植=ユ・ボンシク)氏が8日午前4時35分、肺炎のため京都市の病院で死去していたことが12日分かった。88歳。韓国出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男、信明(のぶあき)氏。
立命館大中退後、ガソリンスタンド経営などを経て、京都でタクシー会社2社を経営。昭和52年、両社を合併して「エムケイ」を設立し、会長に就任した。
「運賃値下げが売り上げ増につながる」と主張し「同一地域、同一運賃」の料金規制に反対。値下げ認可をめぐる行政訴訟で全面勝訴し、全国で初めて10%の運賃値下げを断行。低価格タクシーに道を開き、規制緩和のモデルケースとされた。
身障者割引や大卒運転手採用のほか、「運転手があいさつしなかったら運賃はもらわない」などのユニークな経営でも注目を浴び、平成13年には名古屋市で全国初の無料タクシーを走らせた。
エムケイグループの会長退任後は、13年から近畿産業信用組合(大阪市)の代表理事会長も務めた。