「模倣犯が出たら…」ネット騒然
捜査関係者も現段階で、女がスーパーを攻撃するという悪意ではなく、ゴキブリを生かしたいという一般感覚とはかけ離れた“善意”から事件を起こしたとする見方を強めている。
これに対し、インターネット上では、「ゴキブリは反則だろ。悪質なテロだ」「模倣犯が出たらどうしよう」と戦慄(せんりつ)するコメントが多数噴出した。
その半面、「根は優しい人なのかも」と同情する意見もあり、脳科学者の茂木健一郎氏も「刑事的なアプローチよりも、心のケアをしてさし上げた方が良いような気がします…」とツイッターに投稿した。
犯罪心理に詳しい新潟青陵大の碓井真史教授(社会心理学)は「ゴキブリもネコも関係なく、生き物の命に対するこだわりが強い人なのだろう。ゴキブリが生きるための食料はどこにでもあるのに、スーパーに放すしかないと考えること自体滑稽(こっけい)なのだが、女にとっては普通のことだから事件が起きてしまう。常識にとらわれず、自分のこだわりは実行しないと気が済まないという心理的特徴があるのではないか」と分析する。
その上で、そうした特徴は現代社会でストーカーやごみ屋敷の問題にも通じるところがあるとし、「常識で考えることができない人に対しては、周囲がどう支援していくのかが課題になる。女も一人暮らしだったことから、孤独感にさいなまれてネコを集めたり、ゴキブリの命を大切にしたいという発想になったりしたのかもしれない」とした。