入り口のドアから最も奥まった場所にある生鮮食品コーナー。その床に、無数の黒い物体がうごめいていた。脇には不審な白いポリ袋。のぞき込むと、何匹ものゴキブリが入っていた。床にいた黒い物体の正体は、衛生状態を保つべきスーパーにとって“大敵”のゴキブリだったのだ。
「店内にゴキブリをまかれました」
騒然となったスーパー側はあわてて110番。県警垂水署員が駆けつけると、店員らが総出で店内をはいずり回るゴキブリの捕獲作業に当たっていた。その数、実に十数匹。署員は店員から証拠物として、逃げ残ったゴキブリ3匹が入ったポリ袋を手渡された。
翌27日。スーパーは専門業者に依頼してゴキブリの駆除や店内清掃を行い、通常通り営業を再開。警察に被害届を提出した。
ある捜査幹部は「生きたままのゴキブリをまき散らす事件なんて聞いたこともないし、正直気味が悪い。スーパーはもちろん、捜査員もさぞかし苦痛だっただろう」と同情を隠さない。