--ご自身の生活の一部である聖域のコンビニを書こうと思ったきっかけは
「書くことを通して、人間の何かを知りたいという欲求がすごく強い。書くことを通じて、自分が気づかなかった人間の一部、人間の状態を知りたい思いは強く、他の作品とそこは全く変わりません」
--コンビニ愛をどこに感じるか?
「コンビニは、小さい頃から不器用だった自分が初めて何かをまともにできた場所です。ある意味では、ずっと美化した場所で働いていたことになるので、小説の場としては、あまり良くなかったかもしれない。ちゃんと小説のまなざしで、見ないといけなかったのかもしれないと、この小説を書いてみて思いました」
--小説家の意地悪な目線で、冷凍保存されたものが解凍したと、以前話していたが
「“小説家の意地悪な目線を通す”と、そうだな…。意地悪というより、人間のちょっと変なところ、コンビニで働きつづ、例えばちょっと仕事をばかにしたことを言っている人の表情を、いじわるというより、面白いな、人間らしいなとみていた。そういったことが、頭の中に冷凍保存されて蓄積されていったのかなと」