オーストラリア北東部沖に約2千キロにわたって広がる世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフの北側部分でサンゴの死滅につながる「白化現象」が過去最悪レベルで起きている可能性があることが分かった。クイーンズランド州のジェームスクック大サンゴ礁研究センターが29日発表した。
同センターによると、3月に北東部ケアンズから北側をヘリコプターで観察したところ、500カ所以上あるサンゴ礁のほとんどが白化していた。
同センターのヒューズ教授は北側部分について「白化していないサンゴ礁は4カ所しかなかった。(大規模な)白化が起きた1998年、2002年のレベルを上回っている」と述べ、南側部分に白化が広がっていないか懸念を示した。
サンゴは海水温の上昇などでストレスを受けると、体内の褐虫藻が追い出されて栄養分や酸素の供給を受けられなくなり白化。この状態が続くと死んでしまう。(共同)