「気持ちの良い感覚」が忘れられない
清原容疑者だけでなく、26年9月に覚せい剤取締法違反罪で有罪判決を受けた歌手のASKA氏ら一流スポーツ選手や芸能人が、覚醒剤に手を出す背景にも、ドーパミンが関係しているといわれる。
満員の球場でホームランを打ったとき、数万人規模のライブ会場でマイクを握ったとき、脳内でドーパミンが分泌されるからだ。
川畑教授は「こうした『気持ちの良い感覚』が忘れられず、覚醒剤に手を出すということも、あり得なくはないでしょう」と指摘する。
また、覚醒剤を使えば、曲のアイデアが浮かばず疲れ果てても頭が冴えたような気になったり、つらいトレーニングでも「頑張ろう」という気になったりすることもある。こうした「効果」も著名人が覚醒剤の誘惑に陥る要因なのかもしれない。
もちろん、一流スポーツ選手や芸能人には、暴力団関係者らさまざまな思惑を持った人たちが近づくこともある。彼らを取り巻く環境が、覚醒剤へのハードルを下げていることは言うまでもない。