しかも、川畑教授によれば「間隔が空けば空くほど、快感の度合いはますます強まる」という。
例えば20代のころ、覚醒剤に1度だけ手を出し、その後、周囲のサポートや強い意志で覚醒剤を断ち切ることができた人がいたとしよう。それでも30年後、50代になってたばこや酒、あるいはストレスなど、思いがけない要因で覚醒剤を使用した記憶が呼び覚まされることがある。
「忘れていたあの感覚が…」。再び覚醒剤に手を出してしまうと、30年という間隔がとてつもない快感をもたらしてしまうのだ。
警察庁のまとめでは、平成26年に全国で覚醒剤事件で摘発された1万958人のうち再犯者が7067人を占め、再犯者率は64・5%に上った。高齢になるほど再犯者率は上昇し、50歳以上では実に80・2%を記録した。
「一度使えば人生を破滅させる」-。川畑教授が強く警告する意味がよく分かる。