こうした状況の中、旅行業界は対応を迫られている。中国経済の変動にも強く、比較的マナーの良い富裕層に注目が集まっている。実際に、最近は日本の高い医療水準に目をつけ、人間ドックなど「医療」を盛り込んだツアーなどが中国富裕層の間で注目されている。
この担当者も「富裕層をターゲットにした人気ツアーを次々に提案して、他社との差別化を図っていく必要性に迫られるだろう」と語る。
だが、中国人のマナーの悪さはかなり浸透しており、比較的おとなしいとされる富裕層をターゲットにしたとしても中国人の訪日ツアーというだけで、周囲の“拒絶反応”は大きく、障害は小さくない。
最近は先回りした中国の旅行業者が、日本の観光地のホテルを中国人用に丸ごと買収するケースも出現。“爆買い”マネーが中国人の間で循環し、日本に落ちなくなる可能性も懸念されはじめ、「これからは知恵の絞り時」という。
“爆買い”マネーは魅力的だけども、マナーの悪さに頭を抱える日本の旅行業界関係者。今後も訪日中国人の動向には目が離せない。