都心でリクルートスーツを着た学生を見かけることが増えた。
経団連ルールでは新卒採用の面接は8月1日解禁だが、実質的な選考はとっくに始まっている。
面接の数をこなさなければならない学生にとって、企業回りのための交通の便は極めて重要だ。それもあり「立地」が学校選びの重要な要素となり、郊外のキャンパスを東京都心に移転させる大学が続いている。
就活だけでなく、普段の通学やアルバイトの面でも立地の重要性は増している。青山学院大学は渋谷にある青山キャンパスの大改造を実施。2013年4月には、それまで相模原キャンパスで開いていた文系学部の1、2年次の授業を青山に移した。拓殖大学もこの春、八王子に移していた商学部と政経学部の1、2年生向け授業を文京区に戻した。
この10年で、首都圏の私立大学では地元出身者の比率が大きく上がった。大学通信の調べでは、今年の入試合格者のうち関東1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の出身者が占める割合は、早稲田大学で73.1%、慶応義塾大学では71.1%に及んだ。05年にはそれぞれ61.8%と57.1%だったが、「関東ローカル化」が一気に進んだわけだ。