【高論卓説】変わる大学選び 少子化で都心回帰、立地が重要に (1/3ページ)

2015.7.9 06:26

 都心でリクルートスーツを着た学生を見かけることが増えた。

 経団連ルールでは新卒採用の面接は8月1日解禁だが、実質的な選考はとっくに始まっている。

 面接の数をこなさなければならない学生にとって、企業回りのための交通の便は極めて重要だ。それもあり「立地」が学校選びの重要な要素となり、郊外のキャンパスを東京都心に移転させる大学が続いている。

 就活だけでなく、普段の通学やアルバイトの面でも立地の重要性は増している。青山学院大学は渋谷にある青山キャンパスの大改造を実施。2013年4月には、それまで相模原キャンパスで開いていた文系学部の1、2年次の授業を青山に移した。拓殖大学もこの春、八王子に移していた商学部と政経学部の1、2年生向け授業を文京区に戻した。

 この10年で、首都圏の私立大学では地元出身者の比率が大きく上がった。大学通信の調べでは、今年の入試合格者のうち関東1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の出身者が占める割合は、早稲田大学で73.1%、慶応義塾大学では71.1%に及んだ。05年にはそれぞれ61.8%と57.1%だったが、「関東ローカル化」が一気に進んだわけだ。

千葉や埼玉の学生が多摩地区の大学に通うのは容易でない

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