東京電力は13日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器内に初めて投入したロボットが撮影した映像を公開した。溶け落ちた燃料(デブリ)は撮影できなかったものの、容器内に大きな損傷は見られなかった。ただ放射線量は極めて高く、デブリの取り出しが廃炉の最難関となっている状況が改めて確認された。
ロボは10日、デブリが大量にあるとみられる地下中心部への入り口部分を含む格納容器1階部分に投入。予定していた18カ所のうち14カ所を調査し、十数メートル進んだところで、ケーブルか車輪が床に引っかかり止まってしまった。
ロボは作業員が遠隔で操作しており、ケーブルを通してデータを入手。東電が分析したところ、容器内の温度は20度前後で、放射線量は最高で毎時9・7シーベルトと、人が数時間浴びれば死ぬレベルだった。撮影された映像で、原子炉内の冷却に使う再循環系配管が損傷していないことなど、容器内の状況が確認できた。
動けなくなったロボについて、回収は不可能と判断し、13日午前、接続されていたケーブルを切断した。この日別のロボで予定していた調査は延期された。ロボが今後の調査過程で障害物になる可能性もあり、東電はロボが動かなくなった原因を引き続き調べるという。
東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「確認できる範囲内で大きな損傷がないことが分かった。重要なデータが得られたと思う」と話した。