NECが電気通しやすい極細炭素材料を開発 センサー、蓄電池などに活用期待
NECは30日、加工しやすく電気を通しやすい新しい炭素材料「カーボンナノブラシ」を発見し、作製に成功したと発表した。直径がナノ(1ナノは10億分の1)メートルサイズの微細管「カーボンナノチューブ」(CNT)の仲間で長い形状をしている。電気自動車の急速充電や高速センサーなど幅広く応用できる可能性がある。
この研究成果は今月1日付の独「アドバンスト・マテリアル」誌に掲載。平成29年度をめどにサンプル提供を開始し、材料メーカーとともに量産化に向けて技術開発を行う。
カーボンナノブラシは、NECのIoTデバイス研究所の弓削亮太主任研究員が26年12月に発見した。この日会見した弓削氏は「液体と混ざりやすく、物質をたくさん吸着できるほか、少量でも電気を通しやすい」と説明した。
1990年代にCNHとCNTを相次いで発見、作製し、ノーベル賞の有力候補とされる名城大大学院終身教授でNEC特別主席研究員の飯島澄男氏も会見に同席した。「電極や(電気をためる電池の役割を果たす)キャパシタへの活用が期待できる」と述べた。
モノをインターネットで結ぶ「IoT」や電気自動車の普及が見込めるなか、日本発の新規物質として世界的に注目されそうだ。
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