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まさに花王ルネッサンス! 「アタックZERO」は横綱の乾坤一擲 (2/4ページ)

秋月涼佑
秋月涼佑

 それが、1987年に世界初のコンパクト洗剤として「わずかスプーン1杯で驚きの白さに」というキャッチフレーズで発売された「アタック」なのです。家の洗濯機の側に、大きな箱に入った粉末洗剤がある風景が当たり前だった時代を知る読者も多いかと思います。「バイオ酵素」(アルカリセルラーゼ)が配合され、従来の1/4の量で強力な洗浄力を実現したアタックはパッケージ自体が驚くほど小さく、まさにゲームチェンジャーでした。発売当初は大箱時代の感覚でどうしても洗剤を入れすぎる人が多く「スプーン1杯で汚れ落ちは十分です」と注意書きをせざるを得なかったというのも革新の証でしょう。1995年にはさらにコンパクトに進化し、「液体アタック」を発売するなど、30年以上もの間トップシェアを独走しています。

 革新性を表現する、緑のパッケージ 

 そしてアタックと言えば緑のパッケージ。アタックが発売された当時、従来の大箱洗濯用洗剤が主に「洗浄力」をイメージさせる、白や青系のパッケージカラーであったことに対し、ハッキリと違うベースカラーを用いることは革新性を表現するものでした。

 汚れを落とす表現として黄色や赤系色は使いにくい中で「バイオ酵素」をイメージした緑の選択だったと思いますが、当時としては大胆なカラーリングだったはずです。しかし今やアタックの緑こそが、洗濯用洗剤の定番カラーとなっていると言っても過言ではないでしょう。

 ユーザーの高齢化が課題

 好事魔多し。トップシェア街道をひた走るアタックも、世代別でのシェアを見ると、若い年代層で競合の影がチラツキ始めているようです。若干古くなりますが、洗濯についての@niftyの調査(2017年9月、有効回答数2714件)では、洗濯用洗剤の人気ランキングでアタックが全年代を通じ1位となっていますが、特筆すべきは年代別の30代以下でのランキング。1位「アタック(花王)」35.9%、2位「トップ(ライオン)」32.8%とその差はわずか3.1ポイントで肉薄していることです。

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