SUBARU(スバル)は27日、新車の出荷前の検査工程で燃費や排ガスの測定データを改竄(かいざん)していたとする調査報告書を国土交通省に提出した。改竄は群馬県の2工場で生産した全9車種、903台で確認。不正は検査員を統括する班長らの指示で、事実上の組織ぐるみと認めた。企業風土改革が厳しく問われそうだ。
燃費や排ガスの測定装置に保存されたデータを調べた結果、平成24年12月から昨年11月までの約5年間で改竄を確認。14年以前から不正があった可能性もあるという。ただし車両の品質に問題はないとして、リコール(回収・無償修理)は行わないとしている。
書き換えは測定対象の6939台のうち、1割超に相当する台数で確認。群馬製作所の本工場(群馬県太田市)と矢島工場(同)で生産するスポーツ用多目的車(SUV)「フォレスター」や小型車「インプレッサ」などで認められた。
スバルでは昨年10月に国内工場で無資格者による検査問題が発覚。その調査の過程で今回の改竄の疑いが浮上した。東京都内で同日開かれた記者会見で吉永泰之社長は「多大なご迷惑とご心配をおかけし心よりおわびしたい」と謝罪した。