2カ月に1度は海外出張するという東京都中央区の会社員、川北晃央さん(35)は「入国審査で並ぶことも想定して仕事のスケジュールを組んでいる。もちろん時間が短くなるのに越したことはない」と歓迎する。
日本では07年、日本人と国内の在留資格を持つ外国人を対象に、指紋による自動化ゲートの運用を開始。昨年10月に顔認証のゲートも導入され、来年3月末までに成田、羽田、中部、関西、福岡の各空港に計約140台を設置予定だ。将来的には訪日外国人への対応も視野に入れている。
旅の実感なくなる
出入国の日付や空港名などが入る証印に思い入れを持つ旅行者は多い。デザインは国ごとに異なり、飛行機や星のイラストが描かれるなど多種多様だ。日本では自動化ゲートの利用時も、入国管理局の事務所に申し出れば証印を押してもらうことが可能で、希望者は多いという。
4月中旬、米国から成田空港に帰国した青森県つがる市の会社員、野呂幸子さん(51)は「スタンプを見返すと、その国を旅したという実感が湧く。時代の流れだと思うが、なくなるのは寂しい」と話した。