SOMPOケア、職員の教育体制強化 介護現場再現した研修施設新設

室内を細部まで再現し、実践に即した技術や知識を身に付けていく=東京都港区のSOMPOケアユニバーシティ
室内を細部まで再現し、実践に即した技術や知識を身に付けていく=東京都港区のSOMPOケアユニバーシティ【拡大】

 SOMPOホールディングスの介護事業を担うSOMPOケアグループは、職員の教育体制を強化する。幅広い介護現場を想定した研修施設「SOMPOケア ユニバーシティ」を大阪に新設。西日本を中心とした職員向けの活動を4月からスタートする。また、ウェブによる研修にも本格的に取り組んでいく計画だ。

 新たな施設は「SOMPOケア ユニバーシティ関西」で、OAPタワー(大阪市北区)の1フロアを借りて運営を開始する。広さは約640平方メートルで介護付き有料老人ホームや訪問介護先の住宅などを再現した4つの部屋を備える。また、フードサービスを行えるキッチンも導入する。

 従来、西日本在勤の職員には事務所などを拠点として研修を行っていた。新施設は、企業内大学として位置づけ、ベッドやダイニング、特殊浴の浴槽などを設置することで、ホームや訪問先と同じ環境で細かな介助方法を学べるようにした。

 ウェブによる研修では、現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を中心に実施しているパートや派遣スタッフ向け教育に力を入れ、ブランド力の向上につなげる。

 SOMPOケアの青木繁和・教育研修部シニアリーダーは「当グループは全国区を網羅しており、移動時間だけでも大変。ウェブ研修の実践によって現場に寄り添いながら知識を吸収できる態勢を構築していきたい」と話している。

 超高齢社会の進展に伴い介護ニーズが高まる中、人材の受給ギャップは拡大しており、これを改善することが課題となっている。

 こうした中、同グループは昨年の7月、東京都港区に「SOMPOケア ユニバーシティ」を開設。座学と実技によるプログラムを用意しており、新人だけでなく入社後も順次、職員に対するフォロー研修を行っているほか、懇親会などを通じた情報交換の場の提供にも力を入れる。

 大阪に第2弾の拠点を開設することで、教育体制を一段と推進する。