「いきなり!ステーキ」強気の店舗倍増、一気に全国展開 社長「来年200店増」 (1/3ページ)

牛肉の塊を客の目の前で切り分け、焼くのが「いきなり!ステーキ」のスタイルだ
牛肉の塊を客の目の前で切り分け、焼くのが「いきなり!ステーキ」のスタイルだ【拡大】

  • 今年2月、米ニューヨークに開店した「いきなり!ステーキ」の店内(共同)

 ペッパーフードサービス(PFS)が展開するステーキ店チェーン「いきなり!ステーキ」の勢いが止まらない。1号店を銀座4丁目にオープンした2013年12月以来、牛肉の塊を客の目の前で切り分ける注文方法や、グラム単位の手頃な価格設定が受け、客足を伸ばし続けている。店舗数は今年9月に150まで達したが、創業者の一瀬邦夫社長は「来年は1年間で200店増やす計画だ」と宣言する。

 週末の夕方、JR中央線の高円寺駅南口から徒歩2分ほどにある高円寺店(東京都杉並区)。フロアの25席は半分ほど埋まり、女性同士で連れ立って来店した客の姿も目立った。

 肉を注文する場所は席ではなく、厨房(ちゅうぼう)に設けられた“窓口”のような「カット場」だ。自分の分が目の前で大きなブロックから切り分けられる豪快な光景に、思わずつばを飲む。

 いきなり!ステーキの最大の特徴は、1グラム=7.3円からという値頃感のある「量り売り」で注文できる仕組みだ。熱々の鉄皿で客自身が好みの焼き加減に仕上げる。卓上には特製ソースに塩、しょうゆ、わさびなど多くの調味料が用意され、一口ごとに違った肉の味わいを楽しめるのもうれしい。

 常連客を囲い込み

 こうしたサービスと商品力が人気を集め、いきなり!ステーキは4周年を前に伸び続けている。今年度の月ごとの既存店売上高をみると、直近の9月まで前年同月比で20~40%台のプラスという快走だ。

 開業当初は客の回転率を上げるための立ち食いスタイルが注目されたが、最近ではショッピングセンターのフードコートへの出店が増え、着席可能な店も多い。その結果、家族連れなどの外食需要もつかんでいる。「2月のニューヨーク出店が大きく報じられ、チェーン自体の認知度が高まった効果も大きい」と、一瀬社長は笑いが止まらない。

一気に全国展開へ