なぜ、お客はスタバに満足しなくなったのか。男性よりも変化に敏感な、女性の声を中心に紹介しながら解説したい。
「スタバは面倒」の消費者心理
1996年に日本1号店がオープンしたスタバを、筆者は「日本のカフェ文化を変えた黒船」として評価している。ただ、最近気になるのは、以前に比べて「積極的に利用する」と話す声が少なくなったことだ。
たとえば、独特のメニューを「わかりづらい」と話す人は、現在でも一定数いる。スタバのメニューには「ブレンド」も「ホットコーヒー」もない。代わりにあるのは「ドリップコーヒー」だ。愛用者にとっては常識だが、年配客のなかには、開業後20年たつ現在でも「なじめない」という人が少なくない。以前、団塊世代と一緒に店に入ったところ、「利用したことがないので、どう頼めばよいかわからない」と言われた。
茨城ではサイズも「大中小」
学生時代に3年間、スタバでアルバイトをした経験があるという20代前半の女性(IT企業勤務)はこう語る。
「茨城県の店舗で働いていたので、地元の年配のお客さまは『ショート、トール、グランデ、ベンティ』というサイズの名称がわからない方が多かったです。そこで『ドリンクの大きさは、大・中・小のどちらにされますか?』と聞いていました」