筆者が大学入学前まで暮らした実家近く(徒歩5分)のスーパーにも、スガキヤは入っていた。いまは取材先企業に近い名古屋市内の店を時々利用するが、学校帰りの中学生や高校生も目立つ。前述した価格のため、「子供が成長して、最初に自分のお小遣いで外食する店」なのだ。こうした庶民性が同社の成長を支えてきたが、一方で現在「踊り場」を迎えている。
「最近はハイセンスな商業施設が増えてきました。そうした施設と、当社が『レギュラー』と呼ぶ従来型の店とはミスマッチになりかねない。ディベロッパー(商業施設)側からは『別の業態を開発してほしい』と言われることもあります」(菅木氏)
そのためアルコールも置いた「寿(す)がきや」といった別業態も開発したが店舗数は少ない。
現在はディベロッパー側も、施設の来店客層に合った店を選別する。それは業態から受ける一般的なイメージより、さらに細分化して検討するのだ。ある人気カフェは高品質の洋菓子も看板メニューだが、「アウトレットモールの中でも、客単価が高いブランド店が集まるエリアに出店してほしい」と要請を受けたという。
関東地方から撤退した理由
かつてスガキヤは関東地方にも店があった。たとえば東京都内で唯一、同じ味が楽しめた高田馬場店は2006年9月で閉店。それから10年以上になるが再進出は果たしていない。