「デザインに関して言うと、日本より目が肥えている人が多いと感じている。特に好まれているのは、ヨーロッパのデザイン。われわれも昨年ドイツ人デザイナーを雇うなど、ヨーロッパデザインを強化している」(山内氏)
現地発の製品も
中国経済はこれまで成長の一途をたどってきたが、不動産バブルの崩壊や人件費高騰など、かつての勢いは失われているように見える。事実、中国の家電市場全体で見ると、販売金額が前年割れした現実もある。その現状をどう捉えているのか。
「悲観はしていない。パナソニックの中国での売り上げは前年比108%あたりで着地し、伸ばしている。販売金額が前年割れしているとはいえ、それは悲観すべきことではなく、いろいろな事案が重なったため。中国の消費の底力はすごい。国同士の関係性で見ても今はチャンスだと感じている。日本製品の良さや職人の技といったものをアピールしていきたい。お客様からも『パナソニックはユーザーの立場に立ったものづくりをしている』などと評価をいただいている」(呉氏)
山内氏も今、中国は変化の時だと語る。「中国政府は方針として豊かな生活を推進している。パナソニックのプレミアム戦略は、その時流にうまく乗ることができた。中国は今大きく変化している。これまでは、日本発信の製品を中国で展開してきたが、今後は逆転することも当然あるだろう。日本の家電量販店で製品を見ると、デザイン面で見ても、中国の製品の方が完全に上回っていると感じる」