【家電Watch】パナソニック、日本勢が苦戦する中国でなぜ売れるのか? 現場2氏に戦略を聞く (2/6ページ)

2017.4.3 06:25

4月設立のパナソニックAPチャイナの総経理に就任した呉亮氏(左)とパナソニックチャイナアプライアンス中国の総経理を務めた山内政直氏
4月設立のパナソニックAPチャイナの総経理に就任した呉亮氏(左)とパナソニックチャイナアプライアンス中国の総経理を務めた山内政直氏【拡大】

  • 中国・上海で開催された中国家電博覧会(AWE)の会場
  • パナソニックの美容家電の中国版カタログ。日本と同様「PanasonicBeauty」という製品群で展開する
  • パナソニックのプレミアム戦略のコアアイテムの一つ、ドラム式洗濯機

 まず、15年設立のアプライアンス中国の代表、総経理を務めた山内政直氏にこの2年間の成果を聞いた。同氏は就任直後から10以上のプロジェクトを開始。さまざまな社内改革を行ってきたという。

 「この2年で大きな変化があった。かつては、開発・製造・販売部門が全てバラバラだったが、15年にアプライアンス中国をスタートさせてからは、横串を1本通して、各部門の連携を強化した。当初は苦労もあった。例えば、製品の投入時期も日本と中国では全く違う。日本ではボーナスや年末商戦などがあり、新製品の商戦時期は6月や11月に集中している。ところが、中国の会計年度は12月で、商戦時期は旧正月などがある1~3月に集中する。従来は日本のやり方をそのまま持ってきていたので、商戦時期に商品がなかった。今は1~3月に新製品を投入し、中国のローカルメーカーと戦えるようにした」

 4月からAPチャイナの総経理を務める呉亮氏は山内氏の手腕を絶賛する。

 「20年前、中国でのパナソニックのシェアは20%あったが、今は2~3%しかない。パナソニックが得意とするプレミアムクラスでいうと、12~13%はあるものの、それでもかなり減っている。11~12年でテレビをシュリンクし、流通関係からの信頼が失われたのが大きな原因の一つ。そこからずっと減収を続けてきたが、16年に5年ぶりの増収に持っていくことができた。これは山内さんの功績が大きい。今は、山内さんが作ってくれたサイクルややり方を継続できるように、仕組みに落としている最中だ」

パナソニックの中国戦略は一貫している

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