まず、15年設立のアプライアンス中国の代表、総経理を務めた山内政直氏にこの2年間の成果を聞いた。同氏は就任直後から10以上のプロジェクトを開始。さまざまな社内改革を行ってきたという。
「この2年で大きな変化があった。かつては、開発・製造・販売部門が全てバラバラだったが、15年にアプライアンス中国をスタートさせてからは、横串を1本通して、各部門の連携を強化した。当初は苦労もあった。例えば、製品の投入時期も日本と中国では全く違う。日本ではボーナスや年末商戦などがあり、新製品の商戦時期は6月や11月に集中している。ところが、中国の会計年度は12月で、商戦時期は旧正月などがある1~3月に集中する。従来は日本のやり方をそのまま持ってきていたので、商戦時期に商品がなかった。今は1~3月に新製品を投入し、中国のローカルメーカーと戦えるようにした」
4月からAPチャイナの総経理を務める呉亮氏は山内氏の手腕を絶賛する。
「20年前、中国でのパナソニックのシェアは20%あったが、今は2~3%しかない。パナソニックが得意とするプレミアムクラスでいうと、12~13%はあるものの、それでもかなり減っている。11~12年でテレビをシュリンクし、流通関係からの信頼が失われたのが大きな原因の一つ。そこからずっと減収を続けてきたが、16年に5年ぶりの増収に持っていくことができた。これは山内さんの功績が大きい。今は、山内さんが作ってくれたサイクルややり方を継続できるように、仕組みに落としている最中だ」