スピード感強み
中国と日本では、経済状況や生活習慣ももちろん違うが、国民性も大きく違う。製品開発、さらに経営する上で、違いを感じ、気をつけていることがあるのだろうか。
「一番はスピード。まずはやってみようという精神が強い。そのスピード感に管理面がうまくミックスされる。それが日系メーカーの強みでもあると考えている」(呉氏)
パナソニックの中国戦略は一貫している。ターゲットはプレミアムゾーンのみ、普及ゾーンはODM(企画・設計を含めた委託生産)を徹底活用し、自社では作っていない。山内氏就任後の2年間で、製品の入れ替えを進め、全体の60%をプレミアム製品と位置づける。
「15年度は32%だったプレミアム製品の売り上げ比率が、16年度には55%まで上昇している。これは、日本ではなく、アプライアンス中国で商品開発を手掛けたことが大きい。デザイン含め、最初から提案できた。開発・製造・販売がうまく機能した結果でもある。もう一つは、商品を群として訴求できたこと。それまでは商品がバラバラだったが、ライフスタイルとして提案できた」(山内氏)
パナソニックがターゲットとして掲げる世帯年収21万元以上(約340万円)は、今、5000万世帯の2億人、全体の25%ほどに当たる。さらにコアターゲットとして掲げる世帯年収35万元以上はさらに数が絞られる。