JR東日本が、2020年度を目標に進めている中央線快速電車(東京-大月)へのグリーン車導入計画を延期することが23日わかった。現在の10両編成を12両化することに伴う駅工事などに想定以上の時間を要すると判明したため。首都圏の主要通勤路線のうち唯一グリーン車がない中央線での「着席サービス」開始は21年度以降にずれ込む。
同社は15年2月に同計画を発表。全快速電車の東京寄り4、5両目にグリーン車(定員約200人)を増結し、青梅線(立川-青梅)にも直通させる予定で、投資額は数百億円に上る。
快速が停車する44駅のホーム延長工事などの詳細設計を行ったところ、御茶ノ水駅のバリアフリー化工事と干渉することや、江戸城の遺構調査など文化財保護対策に時間を要することがわかった。「5年も遅れることはない」(冨田哲郎社長)見通しだが、いつサービスを開始できるかはわからないという。
中央線のラッシュ時の混雑率は188%。国土交通省の交通政策審議会は「180%以下が望ましい」としているが、抜本対策となる三鷹-立川間の複々線化計画は、3000億円に上る費用確保が壁となり進んでいない。