首都圏の私鉄各社が、通勤客向けの有料座席指定サービスなどを導入する動きが相次いでいる。乗客サービスの向上だけではなく、沿線の少子高齢化による定期券収入の減少を見越し、新たな収益源を確保する狙いがある。
西武鉄道は25日のダイヤ改正で、通勤車両を使った着席列車「Sトレイン」の運行を始める。所沢(池袋線)-豊洲(東京メトロ有楽町線)間などで運行し、座席指定料金は510円。通勤時間帯の平日朝は上り1本、夕方以降は下り3本を走らせる。日中は座席をロングシートに切り替え、一般の電車として運用する。
追加料金制の通勤客向け着席列車は1984年、旧国鉄が上野-大宮間で走らせた「ホームライナー」が始まりだ。
私鉄各社は、ダイヤが過密な通勤時間帯にこうした列車を運行することには二の足を踏んできた。しかし「通勤に有料特急を使う乗客も多く、ニーズが見込める」(東武鉄道)として、10年ほど前から導入の動きが広がってきた。