ビール大手4社の17年販売計画 酒税一本化を見据え「第3」と“二正面作戦” (2/3ページ)

2017.1.13 06:32

2017年の事業方針を説明するキリンビールの布施孝之社長=12日、東京都千代田区
2017年の事業方針を説明するキリンビールの布施孝之社長=12日、東京都千代田区【拡大】

 高価格帯のビールをてこ入れするのは、サントリービールとサッポロビール。サントリーは主力高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を3月に刷新。サッポロも「エビス」ブランドの新商品を3月に投入する。

 しかし、デフレ心理が色濃く残る中、安い発泡酒や第3のビールも消費者からの支持を集めている。キリンの布施社長は「(税率改定が段階的に始まる)20年までデフレが進んでいれば、発泡酒と第3のビールも強化しないといけない」と手綱を緩めない。税率は10年かけて統一され、一本化されてもビールとの価格差は残る。このため各社は一気にビールにシフトするのは困難な状況だ。

 実際、今年の第3のビールの販売計画は▽アサヒ前年比2.6%増(ビールは0.9%増)▽キリン1.1%増(同4.9%増)▽サントリー1.9%増(同0.5%増)▽サッポロ4.3%増(同3.0%増)-と全社がプラスで、キリンを除く3社がビールを上回る伸び率を計画する。

「機能で売れている商品は、税率が一本化されても変わらない」

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