高価格帯のビールをてこ入れするのは、サントリービールとサッポロビール。サントリーは主力高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を3月に刷新。サッポロも「エビス」ブランドの新商品を3月に投入する。
しかし、デフレ心理が色濃く残る中、安い発泡酒や第3のビールも消費者からの支持を集めている。キリンの布施社長は「(税率改定が段階的に始まる)20年までデフレが進んでいれば、発泡酒と第3のビールも強化しないといけない」と手綱を緩めない。税率は10年かけて統一され、一本化されてもビールとの価格差は残る。このため各社は一気にビールにシフトするのは困難な状況だ。
実際、今年の第3のビールの販売計画は▽アサヒ前年比2.6%増(ビールは0.9%増)▽キリン1.1%増(同4.9%増)▽サントリー1.9%増(同0.5%増)▽サッポロ4.3%増(同3.0%増)-と全社がプラスで、キリンを除く3社がビールを上回る伸び率を計画する。