「やれることは全部やった」どん底味わったマクドナルドが急速に業績回復できた理由 (3/6ページ)

日本マクドナルドが日本進出45周年を記念して発売する「テキサスバーガー」(左)と「ベーコンポテトパイ」=28日、東京都新宿区
日本マクドナルドが日本進出45周年を記念して発売する「テキサスバーガー」(左)と「ベーコンポテトパイ」=28日、東京都新宿区【拡大】

マクドナルドならではのハンバーガーを提供

--メニューについては、どのような方針でしたか?

【下平】“マクドナルド・ユニーク・ハンバーガー”、つまりマクドナルドならではのハンバーガーを提供していくことを第一に考えています。おかげさまでこの2年の間に、グランドビッグマック、必勝バーガー、クラブハウスバーガー、満月チーズ月見など、数々のヒット商品が生まれ、お客様からも高い評価をいただいております。

--ヒット商品の鍵になっているのはどんなことでしょう。

【下平】美味しさと価格、両方です。「美味しい商品をお得な価格で」が、これまで我々が成功してきた考え方です。これをレベルアップしなければいけません。美味しさとバリュー(=お得感)のバランスをとっていかないと、お客様から支持をいただけないと思っています。

 お得感という意味では、200円台のバーガーがなかったので、2015年5月に100円、150円、200円の「おてごろマック」を発売しました。この新しいラインが非常に好評で、合計1億個以上販売しています。

ターゲットは全方位。他社の動向に影響は受けない

--ターゲットにしている年齢層や客層はあるのでしょうか?

【下平】マクドナルドの場合、全時間帯、全年齢層、あらゆる客層を考慮しなければならないと考えています。「若い人だけ」とか「サラリーマンだけ」という考え方はしていません。

 美味しさ、お得感、お店の雰囲気、スタッフのサービスなど、あらゆる要素が重要です。同じハンバーガーでも、きれいな店で気持ちよく食べるのと、汚い店で食べるのとでは、大きく印象が変わりますよね。スタッフのちょっとした笑顔があれば、ハンバーガーの価値も変わってきます。単純に値段だけ、味だけではなく、総合的な価値を全部追い求めていかなければいけないというのが我々の考えです。

日本人のハンバーガーへの意識は「かなり変わってきている」