競争力維持へ「日の丸海運」結束 運賃低迷、進む寡占化 大手3社、コンテナ船事業統合 (2/3ページ)


【拡大】

 川崎汽船の村上英三社長も「海外の大規模な専業会社と伍(ご)して戦うため規模の拡大が必要だ、と3社の意見が一致した」と説明した。

 定期コンテナ船事業の統合は、海洋国家にとっての基幹インフラの浮沈を賭けた「歴史的転換点」(池田潤一郎・商船三井社長)だ。

 コンテナ船事業をめぐってはここ数年、世界経済の減速に伴い需給が悪化。指標とされるアジア発北米西岸向け運賃は、ピークだった08年のリーマン・ショック前の半分近い水準に落ち込んだ。世界的な船舶の供給過剰が続くなか、コスト削減に対する荷主の要請は厳しく、運賃競争が加速している。8月末には世界シェア7位だった韓国・韓進海運が破綻に追い込まれた。

 このため、海運各社は合従連衡を加速。世界シェア3位の仏CMA CGMがシンガポールのアメリカン・プレジデント・ラインズを買収し、6位の中国遠洋運輸集団と7位の中国海運集団が合併するなど、上位勢による寡占の動きが強まっていた。

長年のライバル関係にある国内大手3社も…