中国人観光客は日本在住もしくは自国の親族、知人から情報収集し購入リストを作成、日本で買い物をして帰国した後は情報共有するというパターンが一般的になっている。当日はコーセーやエーザイなど口コミ効果に期待を寄せる30を超える企業が出展した。大日本除虫菊(大阪市西区)もその中の一社だ。
同社の「KINCHO」ブランドは、日本国民の誰もが認識していると言っても過言ではない。しかし、中国では事業を展開していないため「まったく知られていない存在」(マーケティング部営業開発課の八橋和由課長)だ。
ところが、思わぬところからヒットに結びついた事例がある。その商品は、布団などに使用する「ダニコナーズ」。日本では殺虫剤カテゴリーの中で50番目程度の売れ行きだが、中国人の間では越境ECも含めて断トツの1位に輝く。3年前、中国のショッピングサイト「タオバオ」に、あるユーザーがダニコナーズの性能を紹介したところ、加速度的に出展が増えて「知らないうちに勝手にブランディングされていた」(八橋課長)のだ。こうした経験を踏まえ、展示会などを活用し、口コミによるブランド力の訴求に力を入れる。