ソニーは7日、4月の熊本地震で被災した半導体工場(熊本県菊陽町)の生産が復旧までに約3カ月かかり、デジタルカメラ向けの部品供給に深刻な影響が出た経験を踏まえ、今後は2カ月以内に再開できるよう復旧計画を見直すと発表した。
ソニーは生産ラインなどを直した工場を報道陣に公開。工場を運営するソニーセミコンダクタマニファクチャリングの上田康弘社長は、在庫の確保や製品棚の耐震対策、復旧作業のガイドラインの改定といった施策を取り入れ、業務再開手順を定めた事業継続計画(BCP)を年末までに刷新すると説明した。
上田氏は「訓練はしていたが、実際の現場を見たら足がすくんだ」と当時を振り返り「水や弁当、思いもよらない部材の確保まで、必要な全てを洗い出して計画に盛り込みたい」と話した。震災の教訓を業界全体で共有する取り組みも進めるという。
熊本地震では、瞬間的な揺れの大きさを示す最大加速度が想定の約2倍に達し、天井が崩れ、設備が破損した。工場は予定より1カ月早い7月末からフル稼働したが、他社のデジカメ生産にもダメージを与えた。