ゴーサインが出て、開発が進み店舗も決まって4月にオープン。その結果は、「20歳から29歳といった層がテーマパーク感覚で来てくれた。始まった頃は、平日は取材やVR関係の人が多かったが、土日にはそういった方やファミリー層が来て、今はリア充層が来てくれている」と小山氏。目標は見事にクリアされた。
アクティビティでは、高い場所でネコを助ける「高所恐怖SHOW」や、チームを組んで廃墟となった病院を進むホラーVR「閉鎖病棟Ω」が人気となる一方で、山手線を運転する「トレインマスター」や、自動車でサーキットを走る「リアルドライブ」といったシミュレーター系の人気が低い。これには、キャッチコピーで「さあ、取り乱せ」という言葉を使ったことがあるからと田宮氏。「ワーワーキャーキャー言いたいコンテンツに優位性がある」と分析する。
場所を移し、ラゾーナ川崎のアミューズメント施設に置いた「リアルドライブ」が、子どもから高齢者まで広い人気を得た状況は、置き場所やプロモーションの仕方で、利用者層に変化が出ることを証明している。誰に向けて何をどこに置くか。そうした選択が必要なようだ。
また、同じ「高所恐怖SHOW」でも「怖い!」と感じる人もいれば「怖くない!」と思う人もいて個人差があるという。「同じコンテンツなら再現度は一定。差があるのは『VR共感力』」と小山氏。「実在感が発生して怖いとなる。そうでない人にはコンテンツが届いておらず、怖くないという反応になる」という。