【高論卓説】福島沖の海洋放射能が減少 ヒラメ、マアナゴ…「常磐もの」復活へ (2/4ページ)

 報告によると、海水中のセシウム137は調査開始当初、大気圏内核実験によるものが全国で検出されていた。放射壊変と拡散によって次第に減り、86年のチェルノブイリ原発事故の影響で一時上がったものの、約16年で半減した。福島事故前5年間の濃度範囲は、海水1リットル当たり1.1~2.4ミリベクレルだった。

 同様に、海底土中の濃度は約20年で半減し、事故前は1キログラム(乾燥土)当たり検出下限値~7.7ベクレル。海産物の濃度も同様の傾向で減った。事故前は1キログラム当たり検出下限値~0.3ベクレルだった。

 事故直後からは、福島第1原発30キロ圏外の沖合海域(年4回、海水と海底土)と、その外洋海域(年2回、海水)を調査対象に加えた。13年11月からは、10キロ圏内(月1回、表層の海水)も対象にした。

福島県も11年4月から海産物への放射能影響調査を開始