【日本発!起業家の挑戦】起業家の視点で政府に提言 (3/5ページ)

2016.8.16 05:00

起業家でありながら、政府の内閣府参与としても活躍する齋藤ウィリアム浩幸氏
起業家でありながら、政府の内閣府参与としても活躍する齋藤ウィリアム浩幸氏【拡大】

 --楽しめましたか

 「リラックスすることに失敗してしまいました。1年たたないうちにそんな生活は巷(ちまた)で言われるほど素晴らしいものではないと思いました。10代のときに成功できたのは、日本企業がチャンスを与えてくれたからだという事実について考えたとき、今の日本のティーンエージャーが同じような機会を得られていないことに気付きました。それで、日本で引退生活を送りながらベンチャーキャピタリストになろうと決めたんです」

 --忙しい引退生活を送っていますね

 「そうですね。結局、私は働いていないとやっていられない性分なようです」

 ◆国会事故調で関心

 --日本政府と働くことになったきっかけは

 「3・11の東日本大震災後、私の医科大学院時代の教授が、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長に任命され、私はそこの事務局でIT周りの設備構築などを手伝いました。この委員会は、日本の憲政史上初めて、国会が法律に基づいて設けたもので、政府からも事業者からも独立して設置されました。委員長に就いた黒川清教授は、外部の専門家や参与を必要なだけ招いて、調査を正しく終わらせることを強く要求しました。私にとっても最も難しい仕事でした。時間は限られていましたし、ご想像のとおり、守勢に立って詳細な調査を避けようとする関係者がいましたから。国会事故調は、最終的に国会やそこに関わる職員の人からの関心を集め、私たちの使った手法を採用しようとする動きも見られました」

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