【日本発!起業家の挑戦】起業家の視点で政府に提言 (2/5ページ)

2016.8.16 05:00

起業家でありながら、政府の内閣府参与としても活躍する齋藤ウィリアム浩幸氏
起業家でありながら、政府の内閣府参与としても活躍する齋藤ウィリアム浩幸氏【拡大】

 --ご両親が思い描いていた医師とは違うかもしれませんね(笑)。その後、スタートアップの経営に集中したのですね

 「その通りです。さまざまなソフトウエアや指紋認証システムを開発していましたが、実は6回も倒産寸前に追い込まれました。その度にサービスの方向転換をして、それまで開発してきたものを別の目的のために作りかえました。最終的には、生体認証暗号システムを完成し、このシステムで知られるようになりました」

 ◆98%が激務

 --スタートアップ界でよく言われるフェイルファスト(早く多く失敗する)、フェイルフォワード(失敗しても前を向く)とは少し異なる姿勢ですね

 「スタートアップ界の文化が変わったのか、私の性格が珍しいのか分かりませんが、多くの人が会社を経営することについて誤解していると感じます。起業は一種のゲームのようなもので、宝くじに当たったかのようにIPO(新規株式公開)するか、数年後に操業を停止して次に進むかのいずれかだと思われています。しかし、起業は98%が激務で、暗く、厳しいのが現実です。醜い現実をいかに乗り越えるかが、その後の成功を左右するのです」

 --マイクロソフトに会社を売却後、資金やコネクションが十分にあり、まだ若かったのに、米国で次の会社を起こさず、ご両親の祖国である日本に拠点を移したのはなぜですか

 「大学院に行って、会社を経営してから、私は大人として人生をただ楽しむことをしてこなかったと感じました。それで、旅行したり、プールサイドに寝そべってマルガリータを飲んだりするような生活をしてみました」

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