全日空グループが、客室に愛犬を同伴させて空の旅を楽しめるツアーを本格化できるか検討している。5月下旬、試験的に実施した北海道ツアーは応募が殺到。動物が苦手な乗客もいることから課題はあるが、ペットがいるからと遠距離の旅を控えていた人は多い。旅行業界も新たな需要を開拓できると期待を寄せる。
5月のツアーでは、2泊3日で87人と犬44匹が北海道釧路市の阿寒湖を訪れた。10歳の愛犬とチャーター便で空の旅を楽しんだ千葉市の50代夫婦は「これまで近場しか行けなかったが、飛行機ならいろんなところに行ける」と笑顔だった。
料金は大人2人と犬1匹でおよそ22万円。募集開始から2日で定員が埋まった。獣医師も同行し愛犬へのケアも充実。担当者は「次の開催も前向きに検討したい」と声を弾ませる。
全日空によると、国内の航空会社では現在、ペットは貨物室に預けるよう定めている。貨物室は客室内と同じ温度に保たれるとはいえ、愛犬家からは「かわいそう」「長時間は不安」との声が上がっていた。