第二次大戦中、日本で過酷な労働を強いられたとして中国の元労働者らが日本企業に賠償を求めている問題で、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)は1日、謝罪の表明とともに1人当たり10万元(約170万円)を支払うことなどで、元労働者らと和解した。北京市内のホテルで調印式が行われ、両者が関連文書に署名した。日本企業が絡む他の戦後補償問題にも影響しそうだ。
三菱マテリアルは「人権が侵害された歴史的事実を率直かつ誠実に認め、痛切なる反省の意を表する」とする謝罪文を発表。労働者側は「日本政府とほかの加害者企業も三菱マテリアルのように歴史を直視し、強制連行労働者の問題で正しい決断をするよう求める」とした声明文を発表した。三菱マテリアルは基金を設置して元労働者に補償を行うほか、被害者救済、記念碑の建設、失踪者調査などの費用も負担する。