【社説で経済を読む】なぜ進まない?部品供給網の分散化 熊本地震で問われるサプライチェーン (1/4ページ)

2016.5.2 07:42

石垣が崩落し、地震の傷痕が痛々しい熊本城
石垣が崩落し、地震の傷痕が痛々しい熊本城【拡大】

 □産経新聞客員論説委員・五十嵐徹

 熊本地震で、サプライチェーン(部品供給網)の分散化の遅れが改めて問題になっている。

 震源地となった熊本、大分両県をはじめとする九州中部地域には、自動車や半導体など日本の基幹産業の関連工場が密集している。今回の地震は、その心臓部を直撃した格好で、トヨタ自動車やソニーなど日本を代表する企業が、一時、部品供給を断たれ、製品づくりがストップするダメージを受けた。

 教訓生かされず

 トヨタは、国内に16ある完成車の組立工場のうち、15工場までが操業停止に追い込まれた。その後、順次操業再開にこぎつけているものの、完全復旧には、なお時間がかかりそうだという。

 ソニーはスマートフォン向けの画像センサーで世界トップのシェア(占有率)を誇る。その主力工場は熊本県内にあるが、復旧のめどは立たないままだ。余震がなかなか終息しないことも復旧の遅れにつながっている。

 部品供給網の断裂は、2007年の新潟県中越沖地震や11年の東日本大震災でも大きな問題になった。

その都度、企業は、工場の耐震化や下請けを含めた取引の流れの…

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。