【ビジネスのつぼ】ローソン 「裏方が主役」“刺激的発想”で人気 (2/4ページ)

2016.2.22 05:00

「わさびいなり」と「手巻寿司わさびシーチキンマヨネーズ」を持つ開発担当者の原田緑さん=東京都品川区のローソン

「わさびいなり」と「手巻寿司わさびシーチキンマヨネーズ」を持つ開発担当者の原田緑さん=東京都品川区のローソン【拡大】

  • 「わさびいなり」と「手巻寿司わさびシーチキンマヨネーズ」
  • 青森県立三本木農業高校の学生が考案したパン「三農MO-MO(モーモー)パン」(ローソン提供)

 また、ローソンはこれまでにも地方自治体と連携し、スイーツやお弁当などを開発したり、店舗スペースを活用したイベントなどの開催にも取り組んでいる。今回のプロジェクトは、地方の優れた物産や文化を紹介する発信基地としての役割を担いたいというローソンとの考えとも合致。社内のさまざまな部署が知恵を出し合い、商品開発は急ピッチで進んだ。

 静岡県の名産品といえば、お茶やイチゴ、高糖度トマトなどたくさんある。ローソンではイチゴ「紅ほっぺ」を使ったスイーツも検討したが、関東・甲信越のローソン全店(約3500店)に商品が行き渡る量を短期間で確保することが難しいことから、却下された。さまざまな角度から検討した結果、手巻寿司といなり寿司に決まった。

 原田さんは手巻寿司やいなり寿司に合う静岡県の名産品はないかとインターネットなどで調べると、うなぎや桜えび、魚介類などたくさん出てきた。こうした中、原田さんの目を引いたのがわさびだった。おすしなどに欠かせないわさびは酢飯によく合う。

 昨年12月上旬の会議で原田さんが新商品の具材にわさびを提案すると、上司からの評価は「薬味扱いのわさびではメーンの具材にならない」と手厳しかった。それでも原田さんは「裏方を主役にした商品は目新しい」と訴え、上司らを説き伏せた。

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