--大企業にクラウドソーシングの活用を促すのは難しかったですか。プロジェクトごとにちがう人に仕事を頼むことに慣れない人が多かったのでは
「会社によりますが、ほとんどの企業がクラウドソーシングに興味はあったと思います。少なくとも試してみてみたい、という程度には。ただ、最大の課題は仕事を依頼する際、仕様書を書くのに慣れていない企業が多いことです。とても複雑なプロジェクトを依頼するのに『依頼詳細』欄に一行しか書いていないクライアントもいました。コンシェルジュが詳細を聞き出して分かりやすい依頼を書くようお手伝いするのですが、違う言語をしゃべっているのではないかと思うほど理解し合うのに時間がかかることもあります(笑)。これまでにソニー、伊藤忠商事、ヤマハ、そして政府や地方自治体もクラウドワークスでプロジェクトを成功させています。特に使い始めは柔軟な考えが必要ですが、規模が大きい企業でもクラウドソーシングを問題なく活用できます」
--日本のクラウドソーシング市場は鎖国状態に見えますが、実際はどうですか。フリーランサーもクライアントもほとんどが日本人ですよね
「そうでもないんですよ。海外からの発注も多いです。サッカー界のスター、クリスティアーノ・ロナウド選手はクラウドワークスの顧客ですし、ユナイテッド航空やネスレも日本市場向けのプロジェクトのためにクラウドワークスを活用しました。見た目よりも、外に開かれたコミュニティーだと言えるでしょう」