日本マクドナルドホールディングスの2015年6月中間決算が過去最大の赤字に沈んだのは、異物混入問題の発覚などで信頼を失い、家族連れを中心に進んだ客離れに歯止めがかからないためだ。店舗の改装や顧客対応の改善、品質情報の開示などを徹底したものの、客足の戻りは鈍く、信頼と販売の回復に向けた道のりは依然険しい。
「ビジネス回復のために必要なことは何でもやる」
サラ・カサノバ社長は東京都内で開いた12日の決算会見で、反転攻勢への決意を強調した。既存店の売上高は7月まで18カ月連続で前年実績割れとなっており、マイナス続きからの脱却が当面の課題となる。カサノバ社長は「ブランドには回復の傾向が見られる」とした上で「8月の売上高はプラスに転換する」との見通しを示した。
もっとも、使用期限切れ鶏肉問題の影響で昨年8月以降、売上高の減少は2桁にも及んでおり、その分だけ今年8月以降は増収へのハードルが低くなっているのも事実。それだけにプラスに転換できたとしても「増加基調をその後も維持できるか」(アナリスト)が焦点となる。