観光バスなどの大型バスが“爆売れ”している。三菱ふそうトラック・バスは6月時点で前年の約2倍の受注があり、いま注文しても納車は約1年後。日野自動車も4~6月は前年の1.6倍を売り上げた。円安による訪日外国人の増加や東京五輪開催を受け、バス事業者が新車の購入に踏み切っている。ラインの増設など国内生産にもプラスの影響をもたらしている。
JR富山駅から車で約20分、富山市の三菱ふそう子会社のバス工場。職人がバスの天井や側面を溶接していく。大型は車両が大きく、顧客ごとに仕様が異なるため、手作業が欠かせない。フル稼働の状態だが、1日に生産できるのは5、6台だ。
同社の大型バスの1~6月の受注は前年同期比90%増で、いま注文しても納車は来年6月ごろ。今年の販売台数は前年比2割増の1420台程度を見込んでおり、橋口博光バス事業本部長は「インバウンドの需要で観光向けが多い。車が足りない」と打ち明ける。